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その頃俺は、世間一般よろしくコマつきのチャリンコに乗っていた。
よくわかんないヒーローっぽい絵が描いてある黒いチャリンコ。 ハンドル中央部には、これまたよくわかんない赤いオブジェ風の飾り。 ガーガラガーガラいわせながら何も考えずに走ってた。 もちろん、当時の俺は、そのコマが取れる日の事など微塵も考えたことがなかった。 あって当然、コマは友達、漢と書いてコマと読む、そんな感じ。 ところが転機は突然、とても自然に訪れる。 耳にしなくても肌から吸収するあの感じ。 そう、ご近所コマ取りブームの到来。 もちろん、お隣のまゆちゃんもそのブームにのっかる1人だ。 そりゃー取るしかないでしょう、と一念発起しコマをはずす。 不安定な車体、左右にブレるハンドル、そして見守るご近所さん。 プレッシャーと不安はのっけからMAX。 もしかして、外したコマを再度装着することになるんではないだろうか・・・。 そう思っている矢先、ふいに安定する瞬間。 コツを掴んだ瞬間ってことだろうか、乗れてしまった、そう、コマなし自転車。 もう一気に無限大。可能性もフィールドも達成感も。 車体が左右にブレてもガラガラ言わない自由な感じ。 今まで0だったものが急に100になるあの感じ。 恐ろしいことに、あの瞬間のことは今でも鮮明に思い出せる。 ドキドキかワクワクかわかんないけど、本当にどこまでも行けるような気がした。 コマなしチャリンコと俺は「俺たちの国境は地平線さ」を合言葉に走りだした。 時は流れ現在。夢と希望に満ちたチャリんこ少年は、もはや青年。 あの頃感じた無限の可能性は歳月を重ねるごとに狭くなり、 今では有限な可能性となりました。これが大人になるってことだろうか。 そんな青年は、ふと天国と地獄について考えた。 もし天国や地獄があるとしたら、俺は間違いなく地獄に落ちるだろう、と。 その分岐が殺人したかしてないか、とか大雑把なものならギリ天国。 でも大方違うだろうさ。今までした小さな悪いことがギッシリとメモされてる。 まさにデスノート。振り返った青年の人生は、ひどく汚れてる。 いやーその節は申し訳なかったです! と陽気にふるまっても今更感でむせ返りそうになる。 でもあれだよね、俺地獄に落ちる割にはショボい。今んとこショボい。 悪魔に魂を売ったこともないし、金のために友達をFBIに突き出したこともない。 だからうどんばっか食ってるし、知名度も全然ない。 俺は世界の最終兵器だからCIAのエージェントすら俺のことは知らない、 とか言っても全然通る。 それを考えると世界の悪者は、同じ地獄行きとしてもすごいね。 金や名声や権力をどうにかこうにか手に入れて、一瞬なりとも華がある。 それにひきかえ、俺。食って弾いて寝る。なんて地味。 どうせ地獄に落ちるなら、もっと華々しく落ちたい。 変わるなら今、変えるのは俺。 3世代かかっても使えないくらいの金を手に、合衆国を影であやつる俺。 正義に倒されてもサイボーグとかそんなので何とかなる俺。 それでこその地獄。地獄への敬意。地獄への憧れ。堅実な将来設計。 もちろんあなたも大方地獄いきですよ。デスノートは細かいから。 準備はOK?思い残すことはなにもない? あーなんてひねた前向き。破綻した計画性。 でもね、前向きって大事なんだと思うのさ。あとフットワークと。 とりあえずコツコツ宝くじでも買おうと思います。 PR |
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